台風は年々強くなる ― いちばん危ない「2階以上の窓」を、今のうちに守る

ここ数年、四日市は「大きな台風」を忘れていませんか

ここ数年、四日市市に甚大な被害をもたらすような台風の接近・通過はありませんでした。強い台風のニュースを見ても「今年もそれてくれた」「うちは大丈夫だった」と、どこかで台風への警戒がゆるんでいる方も多いのではないでしょうか。

しかし、台風が来ていないことと、これから来ないことは別の話です。むしろ地球温暖化の影響で、台風は年を追うごとに勢力を強めていると各機関が指摘しています。「被害がなかった数年」は、次の大きな一撃に備えるための貴重な準備期間だと考えるべきかもしれません。

このコラムでは、これまであまり注目されてこなかった「2階以上の窓」の台風対策に焦点を当て、なぜ今そこを守るべきなのか、そしてどんな方法があるのかを、具体的なデータとともにご紹介します。

三重・四日市が経験した、日本最悪の台風災害

台風対策を考えるうえで、私たちが決して忘れてはいけないのが「伊勢湾台風」です。

1959年(昭和34年)9月26日、紀伊半島の先端に上陸した台風15号は、愛知・三重を中心に甚大な被害をもたらしました。台風災害としては明治以降で最多となる死者・行方不明者5,098名。その犠牲者の約83%が、愛知・三重の2県に集中しました。伊良湖岬では最大瞬間風速55.3m/sを観測し、伊勢湾の奥では観測史上最大となる3.55mの高潮が発生しています。

現在の四日市市の一部(旧・三重郡楠町)も被災地の只中にありました。この地域は「かつて日本最悪の台風被害を受けた土地」なのです。60年以上が経ち記憶は薄れつつありますが、地形や海に近い立地は当時と変わりません。伊勢湾台風は「昔話」ではなく、この土地に暮らす私たちへの警告として今も生きています。

台風対策の盲点 ―― なぜ「2階の窓」なのか

そもそも、住宅の窓に付けるシャッターや雨戸は、長らく防犯目的で広まってきました。空き巣などの侵入窃盗は、戸建住宅では侵入口の半数以上が「窓」というデータ(警察庁)があり、特に地面から入りやすい1階の大きな引違い窓(リビングの掃き出し窓など)が狙われやすいためです。

その結果、日本の戸建住宅では「シャッターは1階の大きな窓に付けるもの」「2階以上には付けない」という考え方が一般的になりました。2階への設置は防犯上の必要性が下がるうえ、高所での作業費もかさむため、あえて省かれてきたのです。実際、賃貸アパートでも1階だけにシャッターが付き、2階以上には付いていない物件がほとんどです。

ところが、台風という視点で見ると話は正反対になります。

台風の「飛来物」による窓ガラスの破損リスクは、地面から離れた2階以上の窓のほうがむしろ高くなります。

強風は地面付近よりも高い位置のほうが速くなり、風にあおられた瓦・看板・植木鉢・トタンなどの飛来物は、2階の高さを直撃します。1階の窓は塀やカーポート、植栽である程度守られていても、2階以上の窓には遮るものがありません。つまり、これまで「対策不要」とされてきた2階の窓こそが、台風に対しては最も無防備な弱点になっているのです。

5年後・10年後、台風はどうなるのか

「昔ほど台風は来ていない」という体感とは裏腹に、専門機関の予測は一貫して「台風は強くなる」方向を示しています。数は減っても、一つひとつが凶暴化するというのが共通の見立てです。

  • 強い台風の割合が増える:IPCC(気候変動に関する政府間パネル)の第6次評価報告書では、気温が2℃上昇すると台風の発生数自体は約14%減る一方で、強い台風が占める割合は約13%増加、台風に伴う降水量は約12%増加、平均強度は約5%強まると報告されています。
  • 「猛烈な台風」が増える:気象庁気象研究所の温暖化予測では、全球の熱帯低気圧の発生数は減るものの、最大風速45m/sを超えるような非常に強い台風の出現は増える傾向にあるとされています。
  • スーパー台風の脅威:名古屋大学と気象研究所の研究では、21世紀末には最も強いスーパー台風の最大強度が風速85〜90m/s、中心気圧860hPa級に達しうると予測されています。これは伊勢湾台風をも上回る規模です。

これらは主に21世紀末を見据えた長期予測ですが、その傾向はすでに現実になり始めています。2018年・2019年には、2年連続で最大瞬間風速55m/s以上の台風が日本を襲いました。5年後・10年後に「数十年に一度」の台風が四日市を直撃しても、まったく不思議ではないのです。

窓が割れると、家はどうなるか

「窓が1枚割れるくらい」と侮ってはいけません。台風の暴風時に窓ガラスが割れると、被害は一気に連鎖します。

割れた開口部から暴風雨が室内へ吹き込むと、家の内側から天井や屋根を押し上げる力が働き、屋根が飛ばされる・家が構造ごと損壊するといった大被害につながります。飛び散ったガラス片で在宅者が負傷する危険もあります。雨水の浸入で家財や内装がだめになれば、復旧には多大な費用と時間がかかります。「窓を守ること」は、そのまま「家全体と家族を守ること」なのです。

解決策:飛来物に耐える「耐風シャッター」という選択

こうした台風被害への具体的な備えとして、YKK APは飛来物と暴風に特化した「耐風シャッターGR(ジーアール)」を展開しています。一般的なシャッターとは設計思想が異なり、防犯だけでなく「台風から窓を守り抜く」ことを目的に作られた製品です。主な性能は次のとおりです。

  • 耐風圧性能1200Pa:標準的なシャッター(800Pa)の約1.5倍の強度。風速62m/s相当の強風時に、風下側で窓を引っ張る負圧に耐えられる設計です。
  • 飛来物からガラスを守る:JISのガラス試験Cランク相当を確保し、重さ2kgの木材が時速44kmで衝突しても、シャッターが窓ガラスへの直撃を防ぎます。
  • 用途で選べる3タイプ:手動式、リモコンで開閉する電動式、そして閉めたまま採光・通風ができるスリットタイプがあり、暮らし方に合わせて選べます。

参考価格の目安は下表のとおりです(新築用「エピソードNEO」シャッター付引違い窓・シャッター幅1,690mm×高さ2,030mmの場合。いずれもメーカーの部材標準価格で、消費税・ガラス代・組立費・搬入費・施工費などは含みません)。

タイプ 特長 参考価格(部材のみ)
手動シャッターGR コストを抑えたい方に 148,100円
リモコンシャッターGR ボタン一つで開閉できる電動式 221,600円
リモコンスリットシャッターGR 閉めたまま採光・通風ができる 321,700円
※実際の費用は窓のサイズ・数・施工条件により変わります。正確な金額はお見積りをご依頼ください。

「うちは今さら無理」と諦めていませんか ―― リフォームでも付けられます

雨戸戸袋のこし
雨戸戸袋かくし

「新築のときに付けなかったから、もう無理」――そう思っている方こそ知っていただきたいのが、耐風シャッターGRはリフォームでの後付けにも対応しているという点です。リフォーム用の「マドリモ 耐風シャッターGR」なら、これまで取り付けをあきらめていた窓にも設置できる可能性があります。

  • 既存の窓に雨戸が付いていてもOK:古い雨戸を活かした納まり、または雨戸を取り替える形でシャッター付きの窓にできます。
  • 窓の上や横にスペースが少なくてもOK:窓と壁が接している納まりや、窓上のスペースが少ない納まりにも対応するバリエーションがあります。軒があって隙間が少ない窓でも相談可能です。
  • 壁を壊さず、住みながら工事できる:多くのケースで壁の上から取り付けられるため、大がかりな工事や引っ越しは不要です。
  • 1階・2階を問わず設置できる:これまで手薄だった2階以上の窓にこそ、台風対策として設置する価値があります。

なお、耐風シャッターGRは木造住宅用の製品です(鉄骨ALC造・鉄筋コンクリート造には設置できません)。お住まいの構造や窓の形状によって適否がありますので、まずは現地確認からご相談ください。

シャッターが付けられない窓は、ガラスで守る

形状や設置スペースの都合で、どうしてもシャッターを付けられない小さな窓もあります。そうした窓を「無防備なまま」にしないための代替策が、防災安全ガラス(合わせガラス)です。

これは2枚のガラスの間に、強度と柔軟性に優れた樹脂中間膜(厚さ約1.5mm/60mil)を挟み込んだガラスで、飛来物が当たって万一ガラスが割れても、破片が室内に飛び散りにくく、開口部の貫通を防ぎます。YKK APでも、シャッターが付かない小窓には高性能窓「エピソードNEO-R」と防災安全複層ガラス(60mil)の組み合わせを推奨しており、シャッターと組み合わせることで家じゅうの窓=開口部全体をまるごと強化できます。「シャッターは無理」と言われた窓にも、必ず打つ手はあります。

なぜ「台風シーズン前」なのか

対策は、思い立った今が一番の始めどきです。台風が近づいてからでは、シャッターの取り付けは間に合いません。被害が報道された直後は問い合わせが殺到し、製品の手配や工事が数週間〜数か月待ちになることも珍しくありません。台風が来てからでは、守りたい家族と我が家を守れないのです。

逆に、まだ穏やかな今のうちに検討を始めておけば、じっくり製品を選び、納得のいく見積もりを取り、シーズン前に工事を終えられます。「備えあれば憂いなし」を実現できるのは、被害を忘れている今このタイミングだけです。

まとめ ―― 今のうちに、2階の窓に備えを

かつて伊勢湾台風という日本最悪の台風災害を経験したこの土地で、地球温暖化とともに台風は再び勢力を増しています。これまで対策の盲点だった2階以上の窓こそ、台風の飛来物に対して最も無防備な弱点です。

耐風シャッターGRなら、新築だけでなくリフォームでも、雨戸付きの窓やスペースの限られた窓にも後付けできます。シャッターが難しい窓は防災安全ガラスで守るという方法もあります。大切なのは、穏やかな今のうちに、家じゅうの窓を見直しておくこと。

MADOショップ四日市中央店では、お住まいの構造・窓の形状に合わせた台風対策のご提案から、現地調査・お見積りまで承っております。「2階の窓、どうなっているだろう?」と思われた方は、台風シーズンを迎える前に、どうぞお気軽にご相談ください。


【出典・参考】内閣府 防災情報「1959 伊勢湾台風 報告書」/気象庁「伊勢湾台風」記録/警察庁 住まいる防犯110番/IPCC 第6次評価報告書/気象庁気象研究所・名古屋大学 温暖化予測研究/文部科学省・気象庁「日本の気候変動2025」/YKK AP ニュースリリース「耐風シャッターGR発売」(2020年5月27日)ほか。製品仕様・価格は発表時点のもので、変更される場合があります。実際の適否・費用は現地調査とお見積りによります。

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